- 理念とは何でしょうか?
自分の軸となる考え方で、「私はこのような考えで生きていく」ということでしょうか。
- 理念はどうやって出来るのでしょうか?
結論から言いますと、
「まず行動し、その行動したことで得た経験から構築される」ものです。
ということは、
・行動する前には確固とした「理念」は無いことになり、
・「理念」が構築されるには、その裏づけとなる経験が必要であり、
・さらに「理念」は経験によって少しずつ変化していくもの、
と考えられます。
まず私は、いきなり理念と言っても抽象的でわかりにくいので、理念の前に「やりたいこと」を考えていきたいと思います。
- やりたいことは、そう簡単に見つからない
「君は何をやりたいんだ?」「何をやりたいのかハッキリしていないといけないよ」と、若者に言う偉そうなおじさんを見かけますが、私はその言動を真っ向から否定します。
その偉そうに言うおじさんこそ、ご自身のやりたいことが見つかっていないのです。
やりたいことが見つかっている人は、他人に対して偉そうな態度は示しません。
やりたいことが明確でない人は、「良くない」のでしょうか?
私は、やりたいことが明確で無い状態も、あってもいいと思うのです。むしろ、その方が殆どの人にとって現実的ではないでしょうか?
社会に出る前にやりたいことを見つけるより、社会に一旦出て、今の段階で自分が出来ること、やってみたいことをやり、その経験から、さらにステップアップして「本当にやりたいこと」を見つけていくこともアリなのではないでしょうか?
皆さんは、高校大学卒業段階で、明確に「これをやって生きていきたい!」ということを見つけられましたでしょうか?
私は、10代20代で、ハッキリ明確に「やりたいこと」を見つけられることは稀ではと思っております。
社会経験も無いのに、なぜやりたいことを決められるのでしょうか?
大学の机上で学んだことで、やりたいことを決められるのでしょうか?
決められた、と言う人は、おそらく「それをやりたい」と言うよりも「自分が学んできたことで出来ることはこの範囲だから、これにしよう」という程度ではないでしょうか?
結局、やりたいことが“決まった”のではなく、
・決めなければならなった(受動的)
・決まったと思いこんでいるだけ
ではないでしょうか?
小学生が「将来医者になりたい」と言っているところを見ると、何がわかっていて医者になりたいのかが全くわかりません。
- あなたの可能性は、恣意的に潰されている
周りも「やりたいことを決めましょう」と言っている。
その周りの影響で、自らやりたいことを絞り込み、目標を持ち、それに向かって努力する。
いいことですよね。
ですが、経験もしない段階でドメイン(生存領域)を決めてしまうのは、逆に言うと、他の多くの可能性を捨てていることになります。
企業が採用段階で新卒の方に「やりたいことを明確にしろ」と言うのは、自分の会社で扱いやすいように育てるためではないでしょうか?
新卒の方は、面接対策のために「やりたいことを決める」必要がでてきます。
社会経験も無い新卒の方に「やりたいことを明確にしろ」と言うような、理解力の無い馬鹿な人間がいる会社には、就職しない方が無難です。
多くの可能性を捨てさせ、他の可能性に対して罪悪感を抱かせ、自社に都合よく育てる・・・。これが“洗脳”です。
- 色々なことを経験する大切さ
社会に出ると、学校では得られない色々な事があります。
トーストマスター活動もそうですよね。
トーストマスター活動を通して職業を変えた人もいらっしゃいます。
それは、活動を通して新しい能力が身に付き、可能性が広がったから出来たのです。
高校大学で「やりたいこと」を決めてしまって、それのみに注力していく人生が「良い人生」と言えるのでしょうか?その人にとって満足度の高い人生になるのでしょうか?
この点は人それぞれだと思いますが、狭い範囲で努力し続ける人生が「良い」訳でもありませんし、社会に出てから色々なことを経験して、違う世界に羽ばたくことが「悪い」訳でもありませんね。
「やりたいことが見つかっている、見つかっていない」ということ自体、「良い悪い」という価値観では判断できるものではない、という事がわかります。
- 私の場合
私はどうやって「やりたいこと」を見つけたか?
とにかく、“やりたいことは何か?”などと言うことは考えずに、目の前にあることを無心にこなし、その経験の中で構築していきました。
私のやりたいことは単純明快で「人の役に立てるように行動すること」です。
理由は、感謝された時、うれしいからです。単純ですよね。
そして、「人の役に立つ」手段は、何だっていいと思うのです。
何も、手段を狭い範囲に限定する必要はないのです。
- ご自身にとって大切なこと
やりたいことをやっているうちに、だんだんと「本質的な部分」を感じ取ることが出来るようになってきます。
また、どんな人にも、「大切にしていること」があります。
やりたいことで学んだ本質的なことと、ご自身の大切にしていることが一緒になり、理念が構築されます。
そして、「大切なこと」は“途中で変わってもいい”ということです。
経験の中で、今まで大切なことだと思っていたことが覆されることもあります。
それはごく自然なことです。
覆されることは、あって当たり前です。
以前から考えていた「大切なこと」を“変えてはいけない”と思いこむ必要は全くありません。
変えていいのです。
むしろ、変わっていなければ、自分の成長は止まっていると認識するべきでしょう。
変えてもいいのだと、自分に「許可」を与えましょう。
- 理念が無いことは悪い??
理念が無いと、すぐに投げ出す、という考えもあります。
何も考えずに就職し、与えられたことだけ仕事をし、やりたくもないことをやっていて、嫌なことがあるとすぐに辞める・・・。
だから「悪い」のでしょうか?
たしかにその人にとっては満足度の低い人生になるかもしれませんが、それはその人の問題であり、他人がとやかく言うことではありません。
その人は、悩んでいるのです。
自分でもどうしたら良いのかわからず、解決するための知恵も無いのです。
「理念が無く、ダメな人間」というわけではないのです。
生い立ちや経験によって、目の前のことから学びにくい思考が身に付いてしまっている、ということだけです。
目の前の仕事に身が入らず、私は一体何をやりたいのか?と、考えながら仕事をするときもあるでしょう。
それはそれでいいのです。どんどん悩んで、自分で自分なりの「答え」を出せば良いのです。
「やりたいことを見つけられない、理念が無い人はダメな人」と認識する人は、その人の「背景」について、全く理解が無いのです・・・。
そんな「理解の無い馬鹿」は無視しましょう。
- 理念はどう出来ていく?
理念は、行動しなければ作られません。
小さな目標を持ち、行動していく。
行動してうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。
しかし、その行動自体意味がある。
行動することで、出会いがあり、気づきがあり、それが自分の道を開くのです。
そして、やりたいことが見つかり、理念となっていくのです。
- 理念は変化する
私たちの目の前には、たとえ小さなことだったとしても、予想できないことが毎日起こります。
その予想できなかったことを経験し、自分なりに解釈していき、自分を変化させる必要があるのです。
人は、この変化の激しい時代に、一つの理念では生きていけないのです。
人生経験の少ない段階で持っていた理念は、これから先の時代でも通用するとは限りません。
理念は、常に時代や経験と共に変化していくものなのです。
変化を受け入れられない人は、
・都合の悪い現実を否定し、
・役に立たない頑固親父になって疎外感を感じていき、
・その心理的反動で、自分の存在を大きく見せる必要が出てきて、
・他人に偉そうな言動をするようになるのです。
行動→経験→思考→変化・・・
理念の出来る過程とは、このサイクルを繰り返すことだと思います。