例会記録

正しいスピーチの聴き方

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皆さんは、スピーチを聴く時、どのように聴いておりますか。
実は、スピーチにも「正しい聴き方」というものが存在します。
スピーチを自分の好き勝手に聴いて良い訳ではございません。
トーストマスターでは、話し方と同時に「聴き方」も訓練します。

以前、日本語スピーチで全国大会優勝をされた女性が、スピーチの聴き方について「聴き手は自由に聴いて良いもの」などという趣旨のことを言っておりましたが、それは間違っております。なぜなら、そうであれば私たちトーストマスター会員は聴き方を学ぶ必要など無いからです。学ぶ必要があるから、マニュアルに体系だってあるのです。

★聴き方は自由ではありません★

正しい聴き方とは、

ロジャーズの3条件

・共感的理解

・受容(無条件の肯定)

・自己一致

この3条件を意識しながら聴く事が「正しい聴き方」です。
これは、プロの心理カウンセラーとしては最低限できなければならない必須のスキルです。ですが、トーストマスターで学ぶ聴き方のレベルは、そんなプロのカウンセラーレベル程ではありません。しっかり意識して訓練すれば、誰でもできるレベルになっております。

トーストマスターのマニュアルでしたら、リーダーシップマニュアルの#1「聴き方とリーダーシップ」のところです。マニュアルでは、非常に平易に噛み砕いて書いており、特に「受容と共感」にあたる部分を学ぶようになっております。マニュアルにはセルフチェック項目があり、聴き方レベルを定量的にチェックできますので、ぜひやってみてください。トーストマスター会員でしたら、最低限8割以上は「よくできている」にマルを付けられるようになっていたいものです。

先日、私がメンター制度についてのワークショップの中で、メンターとして必要なスキルについて「受容と共感」をお伝えさせていただきました。

簡単に書くと・・・、

・受容とは

聴き手が、話し手の「考え方、感じ方」に対して「一切の判断」を加えず、ありのままに受け入れること。

・共感とは

聴き手が、話し手の考え方(主観)をベースにして、話し手の感じ方に理解を示すこと。

この受容と共感についての説明、これがこれが・・・スッとわかる方と、全くわからない方と、二分してしまうのです・・・。

私はお金を払って傾聴の研修を受けに行きましたが、上記の説明でスッと理解できました。

ワークショップの中、皆さんからの意見の中で「これはメンターのことについては関係無いんじゃないか」とか「省いてもいいのでは」などという意見もありまして、「聴き方についての重要度の低さ、認識の無さ」を感じられ、大変残念に感じました。

受容と共感について具体的に説明しますと、

まず、受容の部分の「一切の判断を加えず」ですが、要は、聴いているときに主観(自分の感じ方)を出したり、価値判断をしない、ということです・・・まだわかりにくいですか??

聴いているときに「私はそうは思わない・・・」「私は、そのことについては悪い(良い)と思う」などと自分の意見を出しながら聴いてしまうことです。

次に「ありのままに受け入れる」については、逆に「ありのままに受け入れられていない」状態を書くとわかりやすいと思います。例えば聴き手が「批判したい感情的になってしまっている」というとわかりやすいでしょうか?

聴き手は変に感情的にならずに「あぁ、あなたはそう思うのですね」というように、あくまでも相手が主体になるのが「受け入れた状態」です。

共感とは、スピーチを聴いていると「話し手の考え方や思考の癖」というものを感じることができると思いますが、聴き手はそれを感じ取って「話し手にそのような考え方があったから、話し手はそのように感じたのだな」というように、話し手自身の考え方をベースに、話し手の感じ方に対して理解を示すことです。なので、スピーカーと同じことを経験していなくても、共感はできるのです。

自分の経験したことに照らし合わせて聴くのは「共感」ではなく「同感」といいます。

クラブ内でのスピーチコンテスト後のゲストコメントで「あぁ、私も同じこと経験しましたぁ!すっごい共感しましたぁ!」という他クラブの方(審査員かもしれない)のコメントを聞いたことがありますが、それこそが「同感」といいます。共感ではありません。

傾聴力がまだまだ低いレベルで審査員をやっているかも??・・・・・まぁ、仕方ないか(笑)。

過度な期待はすべきではありませんが、10年以上の会員の方で、全くといっていいほど傾聴ができない方もいらっしゃいます。その状態は、トーストマスターという組織としては良いとはいえないと思うのです。

本件の説明文は、テキストに書いてあるような厳密な表現ではなく、ちょっと私の解釈もありますが、概ね合っていると思います。

 

★なぜ傾聴ができるようになることが必要か★

傾聴ができない聴衆ばかりでは「聴衆に同感してもらう」ようなスピーチメッセージしか伝えられなくなると思いませんか? 要は「聴衆受けを考えたスピーチにならざるを得ない」ということです。

それで本当に教育的価値はあるのでしょうか?(もちろん無いとはいえません)

皆さんには必ず「個性」があるはずです。その個性を出し、自分らしいスピーチをして賞賛されるのです。

「個性を出したら共感されないのではないか」と考えてしまったら、自分らしいスピーチではなくなってしまいます。話し手自身も話術を駆使して受け入れられるように伝えることは必要ですが、聴き手が傾聴ができないと、本来賞賛されるに値する人が賞賛されないことになってしまうのです。

そういうことが続くと、組織文化は必ず歪みますし、会員減少、会員の固定化、組織目的の形骸化がよりいっそう進むのです。

だから、傾聴をできるようになることは必要なのです・・・。

 

傾聴ができない、または説明されてもわからない方は、そもそもの思考プロセス(考え方の癖)に原因があります。

その原因は・・・次回!

 

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