人に好かれる必要はあるのか?
私は「人に好かれる必要は無い」と思います。
理由は「どんなに人に好かれても、目の前の現実の問題を解決できなければ、人に好かれることなど意味が無いから」です。
以下に書いてあることは、現実にあった話です。
・ある病院長は、職員の方から好かれることは大切なことだと思い、好かれるように努力しており、その結果、職員の皆さんから好感を持たれておりました。
ですが、その病院長は、
・問題解決が全くできず、見当違いな意思決定をしていました。
その結果、
・問題は山積していき、業績は悪くなりました。
その結果、
・コアとなる人材(医師、看護師)が、見切りを付けて退職してしまいました。
その結果、
・そこの病院の売りとなっている、高度医療の診療ができなくなってしまいました。
その結果、
・組織の雰囲気が殺伐としてきて、職員の中でパワハラも発生しました。
★このような状況でも、人に好かれていることは必要なのでしょうか?
他人に対しての「印象」を最優先に考える、この病院長。病院長は辞職し、しっかり退職金を貰って、天下っていったのです・・・。
★皆さんは、この病院長の元で働きたいですか?
「人に好かれることは大切なこと」という認識が広まる原因を、自分なりに考えました。
・仕事の難易度や出来栄えを、適正に評価されない。実務で評価されないので、人に好かれることで評価を得ようとする。
・社員の能力に、差を付けにくい仕事である。あえて差を付けるとすれば、人に好かれるしかない。
・社長自身が「人に好かれて成り上がってきた」という成功体験がある。その結果、実務よりも人に好かれることを大切にした企業文化が根付いてしまう。
現場経験や実務に疎い社長や中間管理職の方は、現場の「能力はあるが意思疎通が下手な人」を理解できず、うまく扱えず、敬遠してしまうのです。
その結果、
1:そのような社員の方を大切にしなくなり
2:せっかく能力のある社員を退職に追い込んでしまい
3:現場にコア技術を持った社員がいなくなることで
4:会社の中は仕事ができない社員で溢れかえるのです。
日本の「ものづくり」が衰退した原因、日本の生産性が低い原因に、これがあるのです。
なにも技能を持っておらず、現場の問題をなにも解決できない人が権限ばかり持っていると、ろくなことはないのです。
・誰に好かれていたら自分は損をしないのか?
・誰に好かれていたら自分の昇進を望めるようになるのか?
こんなくだらない、保身のための社内政治や非生産的なことを考えている時間があったら、目の前の問題の解決に時間を使うべきなのです。
人に好かれる、というのは「結果論」です。
それを目的とするのは完全に違っております。
- 女性経営者はどうしたのか?
都内に、規模は小さい会社ですが、測定器具を製作している会社がありまして、そこの経営者は女性です。テレビにも出たりして、高学歴で英語堪能、容姿端麗、結構有名です。
その女性は、前経営者の父が急逝されたため、若くして(30歳前半)引き継いだのだそうですが、その現経営者の女性は、経営には全く役に立たない宝石関係の知識はありましたが、全く「ものづくり」のことはわからず、現場も知らず、現場の職人にもなめられて恫喝されたり、お尻を触られたり、セクハラも受けたりしていたそうです。
もしあなたが前述の容姿端麗な女性経営者でしたら、お尻を触ってくる職人に対して、どんな意思決定をしますか?
セクハラをした、ということで、解雇をしますか?
警察沙汰にしますか?
その女性経営者は、思考停止して自分で問題解決ができなくて法律に頼るような、そんな情けない、くだらないことはしませんでした。
なんと、冗談交じりにその職人の股間を握り返したのです。
それからも、しっかり現場の意見を吸い上げたり、部署同士の意思疎通を円滑にしたり、問題解決の努力を惜しみませんでした。
その結果、頑固な職人にも、しっかり意見を言えるようになり、会社の売り上げも上がって行きました。
その女性経営者は、会社の内外に、信頼を勝ち取ったのではないでしょうか?
その女性経営者は、会社を立て直すのに必死で「社員に好かれよう、取り入ろう」などということは考えていなかったのです。
考えていたことは「今、何を考えれば良いのか?何が最善の策か?」を「思考」していただけです。
「着実に結果を出し、その結果で信頼を得る」ということですね。
今回の内容は、リーダーシップマニュアルの#10「チームビルディング」から考えたものです。
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